アンジュルム伊勢鈴蘭さんが語る三重県伊勢市の魅力「名字がきっかけで、故郷がひとつ増えました」

取材・編集: 小沢あや(ピース株式会社) 構成: 生湯葉シホ 撮影: 武石早代

三重県伊勢市をこよなく愛し、何度も足を運んでいることで知られる、アイドルグループ「アンジュルム」のメンバー伊勢鈴蘭さん。最初に伊勢のことが気になりだしたきっかけは、その「名字」だったといいます。
2024年12月からは(公社)伊勢市観光協会伊勢SNS観光アンバサダーにも任命され、伊勢のさまざまなスポットを紹介したいと意気込む伊勢さん。「第二の故郷」ともいえる伊勢、そして愛する地元・北海道についてお話を聞きました。

初めて訪れたとき、街じゅうに「伊勢」と書かれていてうれしかった

―― 伊勢さんは北海道のご出身ですが、「伊勢鈴蘭」というお名前がきっかけで三重県伊勢市とのつながりが生まれたんですよね。

伊勢鈴蘭さん(以下、伊勢):そうなんです。自分でもおもしろい入り口だなと思います。もともと、ファンの方の中に、私の名字がきっかけで伊勢神宮にご縁を感じてくださっている方が多かったんです。私とのお話し会やチェキ会にいらっしゃることを「お伊勢参り」と呼んでくれる方や、実際に伊勢に旅行される方もいて。

―― 珍しい名字の友達と同じ名前の看板を見かけたとき、思わず写真を撮りたくなるような感覚なのでしょうか。

伊勢:最初は本当にそんな感じだったと思います。ファンの方がたくさん足を運んでくださっていたし、私自身も伊勢神宮にはずっと行ってみたくて。それで、2023年に伊勢市観光協会が主催していたモニターツアーに思い切って応募して、初めて伊勢を訪れたんです。

―― プライベートでツアーに応募したところに行動力を感じます。実際に伊勢を訪れたときの第一印象は?

伊勢:子どもの頃から、知り合いには「伊勢」という名字の人がひとりもいなかったんです。変わった名字なので、文字としてもあまり見る機会がなかったんですが、建物や看板、至るところに「伊勢」と書かれていてすごくうれしかったです(笑)。
それから、とにかく町並みが魅力的だと思いました。私の地元の北海道のような穏やかな雰囲気もありつつ、やっぱり日本の中でも特別な場所だという空気を、駅に着いた瞬間からひしひし感じました。伊勢神宮を初めて見たときは、本当に入って大丈夫なのかな? と思うくらい神聖な場所なのが伝わってきたんです。

―― モニターツアーでは、主にどんなスポットを訪れたんですか。

伊勢:二見エリアから伊勢神宮までを、2日間かけてバスと徒歩で巡りました。何もかも初めて見る景色だったし、海も山もすごく近くにあって感動しましたね。夜には星も綺麗に見えたし、それまでしばらく東京にいたこともあって、久々に心落ち着ける場所に来られた気がしてホッとしたのを覚えています。

伊勢の名産だけでなく、地元民が愛するソウルフードも食べるように

―― 伊勢さんはそれ以来、伊勢が大好きになって何度も訪れたそうですね。これまでに行った場所の中で、特に印象に残っているスポットは?

伊勢:伊勢神宮はもちろん魅力的なんですけど、私は地元の方が生活しているような、静かなエリアもすごく好きです。とくに、「二見興玉神社」という神社がある二見エリアは駅からの町並みがすごく綺麗なんです。二見興玉神社には神様の使いとしてカエルの像がたくさん奉納されているんですが、近所の民家の前にも、さりげなくカエルの置き物が置かれていたりするんです。そういう風景も伊勢特有でおもしろいし、おもてなしの気持ちが伝わってきて素敵だなと思いましたね。

―― 伊勢神宮には内宮と外宮がありますが、伊勢さんは特に外宮がお気に入りだとか。

伊勢:はい! モニターツアーで初めて中に入ったとき、どこを見てもゴミひとつ落ちていないことにまず驚きました。でも、何回かお仕事で訪れるうちに庭のお手入れをされている方を見かけるようになったりもして、当たり前ですが、たくさんの方が美しさを保つために働いてくださってるんだな、と感じましたね。参拝するときは、今後もアンジュルムの活動がうまくいくように祈っています。

―― アンジュルムのメンバーのみなさんに買って帰られることも多いと思うのですが、伊勢のお土産はどんなものがおすすめですか?

伊勢:定番ですけど、赤福は買っていくとやっぱりみんなめちゃくちゃ喜びます(笑)。赤福ってすごいですよね、誰に渡しても絶対に喜んでもらえるし、お土産用の個数もいろいろあるので配りやすいし。それから、「洋菓子 銘菓 シラセ」というバームクーヘンで有名な洋菓子店があるんですが、ここはバームクーヘンはもちろん、シュークリームもおいしいです。「ブランカ」というお店の貝の形のマドレーヌ「シェル・レーヌ」もお土産にはおすすめですね。

―― 定番の赤福以外にもたくさん銘菓があるんですね。伊勢でお気に入りの飲食店は?

伊勢:私のファンの方も行きやすいようなお店をまずは知りたいと思って、はじめは有名店にばっかり行っていたんです。でも、ありがたいことにファンの方がますます伊勢を訪れてくださるようになったこともあって、最近は地元民の方がリアルに食べているような伊勢のソウルフードにも興味が出てきました。

実際に足を運んだお店でいうと、「キッチンクック」のドライカレーと「喫茶モリ」の鉄板ナポリタンはすごくおいしかったです。「キッチンクック」は部活帰りの男子中学生がおしゃべりしながらごはんを食べているようなお店で、本当に地元に愛されているんだなと伝わってきました。伊勢って、日本らしさや古くからの伝統を大切にしている街でありながら、それだけじゃない魅力もあるんだなって最近改めて気づきましたね。

―― 古くから続く伝統と新しさをどちらも大切にしている、という点でいうと、伊勢さんご自身のアイドル活動にも重なる部分があるのでは?

伊勢:たしかに、通じる部分はあるなと思います。アイドル活動をしていると「古くから続く文化を残しつつ、新しいものを取り入れていくことって難しいなあ」とよく思うので、そのバランス感覚が伊勢はすごいなって。伊勢って、ずっと続いてきた文化をしっかりと継承しながらも、どんな人でも受け入れてくれるんですよ。お店の方もみんな親切でやさしいし。

そういえば、二見に「大洋堂」というカエルの置き物で有名なお店があるんです。この前お店の方とお話ししていたら、「最近は伊勢さんのファンの方がたくさん来てくれるけれど、みんな穏やかで素敵な人で驚いた」とおっしゃってくださって。私も伊勢の人ってみんな穏やかでやさしいと感じていたので、地元の方も私のファンの方に対してそう感じてくださったのは本当にうれしかったです。

―― 伊勢さんのファンの方と伊勢市の方との間にも、温かい交流が生まれつつあるんですね。

伊勢:うれしいことに、そうですね。だから最近は、アイドル活動を頑張ることで伊勢に還元したいと考えるようになりました。伊勢にも私の活動をやさしく温かく見守ってくれる方がたくさんいらっしゃるので、もっと頑張ってまた伊勢に帰ってきたいなって。それは伊勢だけじゃなく、自分の地元の北海道に対しても思うことなんですけどね。名字がきっかけで伊勢に何度も足を運ぶようになって、大切な故郷がふたつになったような気持ちでいます。

地元・北海道と伊勢の共通点は、「心が窮屈にならない」こと

―― ご出身の北海道についても伺いたいです。伊勢さんはもともと地元でタカラジェンヌを目指していて、家族がオーディションに応募したことをきっかけにハロー!プロジェクトに加入……という異色の経歴の持ち主なんですよね。上京したばかりの頃は、北海道が恋しくなることも多かったのでは?

伊勢:そうですね。北海道は生まれ育った場所なのでずっと大好きですし、地元の友達になかなか会えなくて恋しくなることはいまでもあります。
上京するまでは、地元のことをわりと都会だと思っていたんですが、久々に帰ると山が近くて、自然豊かで改めて驚きます。東京にいると建物が多くてなかなか星を見られる機会もないので、北海道の空の広さを懐かしく思うことは多いです。

―― 地元から離れたからこそわかる良さがあるのですね。北海道は名産品やローカルフードも多いと思いますが、伊勢さんにとって思い出深い食べ物は何ですか?

伊勢:北海道では、コンビニでもスーパーでもワンコインで買えるものが多かった印象があります。ローカルフードでいうと、コンビニの「セイコーマート」には100円で買えるパスタが何種類もあったんですよ。寒いときとか、それを懐かしく思い出すことは多いですね。あとは「北菓楼」の「開拓おかき」も大好きで、よく食べたくなります。

―― 北海道といえば、魚介のイメージも強いですよね。

伊勢:みなさんそう言ってくださるんですけど、東京に来たばっかりの頃は正直、あんまりピンときていなかったんです。魚介はもちろん、お米や野菜もおいしいのが当たり前すぎて……。でも、上京してから少し経って、やっぱり北海道の食べ物ってすごくおいしかったんだなって実感しました。東京ではなかなか見ないおいしい魚も地元には多かったんですよね、氷下魚(コマイ)とか。いまもテレビ番組などで北海道関連の特集を見るたびに「これ、北海道だけだったんだ!」って驚いています。

―― そんな、地元・北海道と、第二の故郷になりつつある伊勢に、共通点を感じることは?

伊勢:景色としては、道の広さですかね。東京は道が狭いところが多いので、北海道や伊勢は歩くたびに道も空も広くて驚きます。それもあってか、地元や伊勢にいるときは、心が窮屈になることがないんですよね。

伊勢公演を実現して、メンバーみんなと観光するのが夢

―― 伊勢さんは昨年12月、伊勢の魅力を発信する(公社)伊勢市観光協会伊勢SNS観光アンバサダーにも就任されました。これをきっかけに伊勢を訪れるファンの方もいると思います。初めて伊勢に足を運ぶ人におすすめのルートは?

伊勢:初めて伊勢を訪れるなら、まずは二見興玉神社で参拝して、伊勢神宮内宮のすぐそばにあるおかげ横丁に行ってみてほしいです。疲れたらほっとひと息つけるようなカフェもあるし、通りの雰囲気もすごく素敵なので、道の広さや空気のよさを感じながら伊勢神宮まで足を運んでほしいですね。内宮の近くには赤福のお店もあるんですが、季節によって期間限定のメニューを出しているので、夏なら赤福氷、冬なら赤福ぜんざいも味わえます。

伊勢って意外とどこに行くにもアクセスがよくて、歩いて行ける距離に見どころが詰まっているので、1泊だけでも楽しめると思います。でもやっぱり、私としてはのんびりいろいろなスポットを堪能してほしいとも思うので、1日目は外宮、2日目は内宮、とじっくり時間を取っていろいろ回ってみるのもおすすめです。

―― 見どころをいろいろ教えてくださってありがとうございます。アンバサダーとして今後、伊勢のここをもっとPRしたい! というポイントは?

伊勢:二見エリアに「伊勢シーパラダイス」という水族館があって、そこがすごく好きなんです。「ゼロ距離水族館」というキャッチコピーの通り、いろいろなかわいい海の生き物と触れ合えます。でも、伊勢神宮のすごく近くにあるわけではないので、伊勢に来られる方も、意外と伊勢シーパラダイスを知らないことが多いんです。だから私としては、もう少しみんなに伊勢シーパラダイスを知ってほしい! お手伝いできることがあったらなんでもしたいですね。シーパラダイスの職員さんたちがされている清掃とかも、本当にしたいくらいです(笑)。

―― 伊勢さんの地元愛、そして伊勢愛がひしひしと伝わってきました。最後に、アンジュルムというグループとして、もしくは伊勢鈴蘭としてこんなことをしてみたい、という夢があれば教えてください。

伊勢:伊勢でライブがしたいです! 宇治山田駅の目の前に、シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢というホールがあるんですよ。過去にはモーニング娘。さんもライブをされているホールなので、いつかそこでライブができたらうれしいなと思っています。お話しした通り、私のファンの方の中には伊勢が好きで何度も旅行されている方もいるんですけど、何かきっかけがないと行きづらいという方ももちろんいると思うんです。だから、自分がそのきっかけのひとつになれたら幸せだなって。

それに、メンバーを伊勢に連れて行きたいという夢もあるんです。地元北海道ではライブをさせていただくこともあるんですが、伊勢ではまだないので。全員のスケジュールをプライベートでおさえるのはさすがに難しいけど、伊勢でライブがあったら、その前後の日に私がみんなを案内できるなって勝手に想像していて(笑)。特に、伊勢シーパラダイスにメンバーみんなと行きたいですね。かわいい生き物たちとゼロ距離で触れ合っているメンバーのかわいさをぜひ、近くで見たいなって思っています。

お話を伺った人:伊勢鈴蘭(いせれいら)

2004年1月19日生まれ。北海道出身。2018年にアンジュルムに加入。趣味は宝塚鑑賞、食べ歩き。

編集:ピース株式会社

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