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画像:倉畑桐子さま
倉畑 桐子
2026年9月16日 (水)

愛知「住み続けたい街ランキング2026年版」1位は無人駅の「森下」!徳川園や商店街が育む飾らない魅力

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愛知「住み続けたい街ランキング2026年版」1位は無人駅の「森下」!徳川園や商店街が育む飾らない魅力
(写真撮影/倉畑桐子)
リクルートが隔年で実施している「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版(SUUMO住民実感調査)」を発表。2026年はアジア競技大会の開催もあり、大型スポーツ施設の開業などが続いた愛知。そんななか、今住んでいる住民がこれからも「住み続けたい」街とは? どんな街が上位で、住民が魅力だと感じているポイントはどこ? 生まれも育ちも愛知県で、名古屋市に住み続けて20年以上の筆者と一緒に見ていこう。

2026年「住み続けたい街(駅)」1位は、名鉄瀬戸線沿いの閑静な住宅街「森下」

愛知県住み続けたい街ランキングと子育てしやすいランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

今回の「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」は、愛知県在住の20歳以上の男女37,584人を対象に、現在住んでいる街(自治体・駅)に「今後も住み続けたいか」を調査し、ランキングにしたもの。
憧れの街を指す「住みたい街」に対し、「住み続けたい街」は実際の住民による評価を示しているのが特徴。住み替えの際に参考となる多様な視点を提供することを目的としている。

名鉄瀬戸線森下駅

国道19号線と交差する名鉄瀬戸線森下駅。駅から延びる歩道橋を使って国道を横断できる(写真撮影/倉畑桐子)

さっそく、住み続けたい街(駅)ランキング上位の街について見ていこう。

「住み続けたい街(駅)ランキング」で初の1位となったのは、名鉄瀬戸線の「森下」。駅自体は小さな無人駅なので、「どこの街?」と思った読者もいるかもしれない。

「森下」は、住み続けたい街(自治体)ランキング1位の名古屋市東区にある街で、北区との境目に所在。名所「徳川園」へ徒歩8分圏内の住宅街で、街の魅力として「防犯対策がしっかりしており治安が良い」「寺社・仏閣など歴史情緒を感じられる場所がある」といった理由が挙げられている。

森下駅 街の魅力項目TOP10

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

赤いラインの電車が目印の名鉄瀬戸線は、中区・栄の「栄町」駅まで直通で、アクセスも良好だ。さらに森下エリアは、JRや地下鉄・名鉄など4路線が乗り入れる「大曽根」駅も徒歩圏にあり、2駅が日常使いできることも特徴だ。

巨人のゲートとおりゃんせ門

商店街から徳川園方面へ向かう人用の目印となる、巨人のゲート「とおりゃんせ門」(画像提供/大曽根商店街振興組合)

この2駅の間には、「大曽根商店街」(通称:オズモール)と「大曽根本通商店街」(通称:オゾンアベニュー)という2つの商店街が連なる。前身となる振興組合が昭和38(1963)年に発足した老舗の商店街で、近年は店舗やイベントが増加している。夏の風物詩「大曽根七夕まつり」などのほか、毎月第2土曜日の「大曽根朝市」といった定例のイベントも。毎月第3日曜日の「大曽根マルシェ」では、商店街の進展であるフォークソングバーが生ライブを実施。イベントの種類が多彩で、どの年代も楽しめそうだ。

屋根のないオープンモール形式の大曽根商店街

屋根のないオープンモール形式の大曽根商店街。歩行者専用道路なので、子ども連れや犬の散歩でも安心して歩ける(画像提供/大曽根商店街振興組合)

2023年には、名古屋市の商店街再生の取り組みによって、「森下」駅と「大曽根」駅から各徒歩6分の場所に、空きビルをリノベーションした施設「つどいタウン」が誕生した。ビルの1階に、小倉トーストが名物の「喫茶はじまり」を開業した髙野さんは、「繁華街の大曽根から歩ける距離で便利なのに、小学校や公園がある静かな住宅街であるところが、暮らす街としての森下の魅力だと思います。大曽根商店街振興組合のみなさんも熱心なので、個性ある新しいお店が増えています」と話す。

つどいタウン

シェアキッチンなどもあるビル「つどいタウン」の1・2階に開業した「喫茶はじまり」。夜はバーとしても人気(画像提供/喫茶はじまり)

商店街の舗装された道路は、夜10時過ぎまで街灯が灯り、人目もあるため夜間も安心だ。徒歩圏内に、徳川美術館やギャラリー、レストランや喫茶店、ビアバーや角打ち酒場など新旧のお店がそろう。周辺には新店やマンションが増えており、2025年末にはスーパー「マックスバリュエクスプレス 大曽根駅西店」も開業。さらに2027年度までに、森下駅北側と南側にエレベーターが設置される計画も発表されている。

「今後、街に若い人が増えて、元から住むみなさんと世代を超えた交流が生まれたら、地域の行事が盛り上がるだけでなく、防災の面でも安心です」と髙野さんも期待を寄せる。

昔ながらのつながりと、新規参入する若いパワーによって、森下の街は新しく生まれ変わっている。

喫茶はじまりの高野さん

「喫茶はじまり」の髙野さんは、商店街の期待の若手。「商店街の先輩方は親切。森下の街の素朴さが好きです」と話す(写真撮影/倉畑桐子)

喫茶はじまりの小倉トースト

「喫茶はじまり」自慢の小倉トーストには北区の製餡所のあんを使用。「あいがけ」を選ぶと、こしあんと粒あんを同時に味わえて感動!(写真撮影/倉畑桐子)

「美味しい街(駅)」1位は、グルメな大人をうならせるビジネス街

食べたり飲んだりが大好きな筆者が、特に注目した街がほかにもある。今回は「住み続けたい街ランキング」と共に、「街の魅力項目別ランキング」も調査しているが、そのなかの「美味しい街(駅)ランキング」に登場する街だ。

美味しい街(駅)ランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

「美味しい街(駅)ランキング」では、1位「伏見」、2位「上前津」、3位「大須観音」、4位「丸の内」まで、全て「美味しい街(自治体)ランキング」1位の名古屋市中区に位置する街という結果になった。名古屋随一の繁華街である「栄」も中区にあるので、納得の結果に。中区内には飲食店が多く、徒歩で食べ歩きが楽しめる。5位の「国際センター」は、名古屋の国際化を推進する名古屋国際センタービルの周辺に多国籍な飲食店が集まり、柳橋中央市場も徒歩圏だ。

2位、3位の大須エリアを抑えて「伏見」が美味しい街の1位となったのは、近年の街の変化を物語っている。伏見駅は地下鉄東山線と鶴舞線の2路線が利用可能で、名古屋駅まで1駅約2分という便利な立地にある。オフィスビルが立ち並ぶ、名古屋を代表するビジネス街という印象が強かったが、近年はランチ時から営業する定食屋や麺類のお店、カフェなどが充実している。歌舞伎公演が行われる劇場「御園座」があるため、「御園通商店街」には老舗や名古屋名物の店も並ぶ。

広小路伏見

オフィスビルや御園座が建つ「広小路伏見」交差点付近(画像/PIXTA)

また、「伏見」駅東改札口直結の「伏見地下街」に、飲食店など約40店が軒を連ね、新店が増加していることに注目したい。飲食店にもお酒を卸す専門店「酒泉洞堀一」直営の「Shusendo酒場 TALK2U(トークツーユー)」は、2023年に「伏見地下街」に開業。和食をベースにした創作料理と日本酒、クラフトビールを目当てに、仕事帰りに立ち寄る人が多いという。場所柄、転勤者が名古屋で初めての“ひとり飲み“をしに訪れる一軒でもある。

せんべろセット

伏見エリアでは、千円前後でお酒とおつまみが楽しめる「せんべろセット」を用意するお店も多い(画像提供/Shusendo酒場 TALK2U)

夕方になると人が集まってくる伏見地下街

夕方になると人が集まってくる伏見地下街。かつて芸術祭の会場になったこともあり、味のあるアートな雰囲気(写真撮影/倉畑桐子)

近隣店舗にもお酒を卸す会社の直営店「TALK2U」の店主・香川さんに、伏見エリアの印象を聞いてみた。
「伏見は飲屋街ではなくビジネス街であるだけに、一見さんも訪れやすい雰囲気ですが、ナショナルチェーンの飲食店は少なく、個性あるお店がそろいます。午後からは千円前後でお酒とおつまみが楽しめる“せんべろセット”を提供するお店も多く、ハシゴ酒も気軽に楽しめます。当店でもクラフトビールや日本酒と、おつまみ2品のセットが人気です。駅周辺には屋内型の屋台村もあり、和食やイタリアンなどお店のスタイルが多彩なので、ビジネス世代のお客さんのニーズに応えられるバリエーションが、クチコミで街に人を呼ぶのでは」とのことだ。

オフィスビルが多いだけに、市内のほかの繁華街とは一線を画す落ち着いた雰囲気も魅力。近年はマンションも増加し、住む街としても注目度が高まる。「今日は何を食べようか?」をモチベーションに働く、グルメな大人の期待に応える街といえそうだ。

TALK2Uの香川さん

カウンター内でおすすめのお酒を手にする「TALK2U」の香川さん。ここで日本酒デビューをする社会人も多いそう(写真撮影/倉畑桐子)

「住み続けたい街(自治体)」2位と「子育てしやすい街」1位を勝ち取ったのは名古屋市昭和区!

住み続けたい街(自治体)ランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

住み続けたい街(自治体)ランキングについても見ていこう。前回2位から1位に輝いた名古屋市東区は、前出の街(駅)ランキングで1位「森下」(名鉄瀬戸線)のほか、9位「車道(くるまみち)」(地下鉄桜通線)などを含み、複数の鉄道路線が通る便利な街。「栄」のある中区や子育て世帯に人気の千種区とも隣接する便利な街で、中心部に近い一方、住宅街とのバランスが良い。

2位の名古屋市昭和区は、市内16区のなかでほぼ中央に位置する。南北に地下鉄桜通線、東西に地下鉄鶴舞線が走り、両線は「御器所(ごきそ)」で交差。地上には市道環状線が通り、市内のどの方向へもアクセスしやすい。また、鶴舞中央図書館のある広大な鶴舞公園を有し、国立の名古屋工業大学や私立の南山大学をはじめとする南山学園の校舎が立ち並ぶ、市内屈指の文教地区でもある。

昭和区のマスコットキャラクターショウちゃん

鶴舞公園の噴水塔と、御器所大根をモチーフにした昭和区のマスコットキャラクター「ショウちゃん」(画像提供/昭和区)

また、名古屋市昭和区は「子育てしやすい街(自治体)ランキング」でも1位にランクイン。また、「子育てしやすい街(駅)ランキング」では昭和区内の街「川名」と「いりなか」が1位・2位を独占。「街の魅力」としても、「教育環境が充実している」「子育て環境が充実している」などが挙げられている。

子育てしやすい街(自治体)ランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

子育てしやすい街(駅)ランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

昭和区では、子育て関係団体で構成される「昭和区子育て支援ネットワーク連絡会」の事業として、「SHOW輪 子育てウェブ」や「昭和区ママブログ」を運営。地域の遊び場や子育てサロン、公共施設の子育て支援、お役立ち情報などを紹介する独自の情報発信を行っている。また、区内に子育て応援拠点や支援拠点、児童館が計4つあり、子育て世代が顔を合わせ、支援員に相談しやすい環境が整う。

ほかには「防犯対策がしっかりしており治安が良い」といった理由も。昭和区では、警察署長が委嘱した地域パトロール隊「昭和ウォッチング」を住民が組織し、毎月第3木曜日を「昭和区防犯の日」として防犯パトロールを実施。昭和区役所でも、毎週水曜日と防犯の日は、小学校下校時刻帯に、パトロール車で巡回を実施。高齢の住民に向けては、警察署と連携して、ショッピングセンターなどで特殊詐欺被害防止の啓発活動などに取り組む。また、愛知県警察本部が支援する大学生による防犯ボランティア団体「APP」による防犯パトロールなど、ボランティア活動も盛んだ。

子育て世帯向けのイベントの様子

子育て世帯向けのイベントの様子(画像提供/昭和区)

日ごろは子どもたちが遊具に集う「川名公園」は、市内で防災公園として整備された公園のひとつ。ヘリポートや災害対応型トイレ、井戸などが備えられ、万一の災害時に対応が可能に。また、「川名公園」では毎年11月ごろに「防災・減災秋まつり」を開催し、街と自衛隊や警察、消防が連携して、地域住民が楽しみながら防災について学べる機会を提供している。昭和区では「安心・安全で快適に暮らせるまち」を推進しているだけに、地域に見守られ、安心して子育てできる環境が支持されている。

「子育てしやすい街」2位&「子育て環境が充実している」1位の長久手市もチェック

「子育てしやすい街(自治体)ランキング」2位の長久手市は、「住み続けたい街(自治体)ランキング」では4位。2012年に市制施行した比較的新しい市である長久手市は、名古屋市や豊田市などと隣接。2020年の国勢調査では、市民の平均年齢が40.2歳で全国平均の47.6歳を大きく下回り、若い世代が多いことが分かる。2026年発表の国勢調査結果速報では、人口が前回比5.4%増の6万3,385人で、増加率の高さは全国の自治体で16位、愛知県内で1位だ。

長久手市

「愛・地球博記念公園」の観覧車が目印の長久手市(画像/PIXTA)

子育て支援の手厚さでも知られ、「妊婦のための支援給付事業」や「出産祝い事業」、18歳までの「子ども医療費支給制度」などが充実。市内には13の保育園と7つの地域型保育施設、3つの幼稚園、6つの小学校と3つの中学校がある。小学校や児童館内には放課後児童クラブがあり、働く保護者をサポートしている。今回、「街の魅力項目別ランキング」内の「子育て環境が充実している」と「今後、街が発展しそう」項目でも共に1位に選ばれている。

今後、街が発展しそうランキングと子育て環境が充実しているランキング

出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 愛知県版」

豊かな自然が残る地域でありながら、映画館のある「イオンモール長久手」や県内唯一の「IKEA長久手」といった大型商業施設がそろい便利。自動車の博物館である「トヨタ博物館」といったレジャー施設のほか大型の公園も点在し、「愛・地球博記念公園」内の「ジブリパーク」では、2024年に「魔女の谷」エリアがオープンしてにぎわう。第3期として、「風の谷のナウシカ」の世界観を表現する新エリアの整備計画が、今年8月に発表されたばかりだ。

また同敷地内には、0~18歳を対象とした県立大型児童館「愛知県児童総合センター」(中学生以下無料、その他300円)もあり、迷路のような「空中歩廊」や巨大な斜塔「チャレンジタワー」、あそびのプログラムなどが好評だ。長久手市は、子育て期を満喫できる支援と遊び場が充実し、子どもたちの明るい未来が期待できる街だ。

愛知県児童総合センター

外に出ても再入場が可能な「愛知県児童総合センター」。飲食物も持ち込みOK(画像提供/愛知県児童総合センター)

チャレンジタワー

中央にある「チャレンジタワー」は、壁面や床面にも仕掛けがいっぱい。何度も登って楽しめる(画像提供/愛知県児童総合センター)

今年も、中区に「ザ・ランドマーク名古屋栄/HAERA」、豊田市に「ミュープラット豊田市」など新施設が開業して賑わう愛知。

今回ランキング上位となった街は、近年、暮らしやすさや楽しみが増加している様子。
筆者も7月下旬に、1位の森下の街で行われた「大曽根七夕まつり」に息子と参加してきた(トップ画像)。屋台は金魚すくいや生ビールが300円などの親しみやすい価格設定で、無料のワークショップや音楽ライブ、ちんどん屋も見かけた。街の人が子どもに声をかけてくれる雰囲気や、歩行者専用道路も魅力的で、「ここに住み続けたい!」という気持ちが分かる気がした。

居住者の熱い声を集めた「住み続けたい街ランキング」からは、リアルな現在の街の魅力が見えてくる。

大曽根七夕まつりで金魚すくいを楽しむ筆者の息子

「大曽根七夕まつり」で金魚すくいを楽しむ筆者の息子。3匹をゲット(写真撮影/倉畑桐子)

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