
代表取締役 白川 巴里氏
千葉県千葉市で育ち、高校卒業後、世界一周やニューヨークでの生活を経て不動産業の道へ。2社で経験を積み、27歳で独立。元資金300万円で赤坂の小さなオフィスから事業をスタート。現在は2児の父として、仕事も子育ても全力で楽しむ若き経営者。
――創業の経緯と、創業以来大切にしている考え方について教えてください。
2015年、東京都港区赤坂。家賃10万円、約10畳の小さな事務所からWALLMATE不動産はスタートしました。創業からわずか12年で、年商125億円を超え、都内・神奈川県を中心に事業を拡大するまでに成長しています。その原動力となったのは、「努力する人が正当に評価され、成長しながら長く働ける会社をつくりたい」という創業時からの想いです。
社員一人ひとりが力を発揮できる組織だからこそ、お客様に最善の提案ができると考え、人づくりを何より大切にしてきました。マイホームの購入や売却は、人生を左右する大きな決断です。そのため目先の利益ではなく、お客様の未来を見据えた提案を心がけています。私たちが目指すのは、住まいのことなら何でも気軽に相談できる「かかりつけの不動産屋」。住み替えや資産運用、相続まで、人生を通じて頼られる存在でありたい。それが創業以来、一貫して変わらない私たちの理念です。

一生のお付き合いができる「かかりつけの不動産屋」として多様なサービスを展開(画像提供/WALLMATE不動産)
――仲介事業の枠を超えて事業領域を広げた狙いを教えてください。
創業当初は仲介事業一本でスタートしました。しかし、会社が成長するにつれ、「仲介だけでは組織は大きくならない」という現実も見えてきました。人や店舗が増えるほど利益を出し続けることが難しい事業構造でもあります。そのため、お客様とのあらゆる接点を担える体制を築く必要があると考えました。
そこで取り組んだのが、買取再販事業です。さらにホテル事業やクラウドファンディングへと事業領域を広げ、ホールディングス化を進めました。また、一級建築士事務所を設立し、設計や定期的な住宅診断、M&Aを行った建設会社による建て替えまで対応できるようになりました。こうして、不動産に関するあらゆる相談にワンストップでお応えできる体制を構築しました。
私が目指したのは、単に事業を増やすことではありません。お客様のライフステージに応じて最適なサービスをご提案し、生涯にわたり伴走することで顧客LTVの向上を実現することです。お客様の理解を深め、継続的な接点を持ち続ける仕組みを構築し、その質を業界トップクラスへ高めていくことが、会社の成長につながると考えています。

グループ会社の株式会社UBIQSではホテル民泊事業を中心にさまざまなサービスを提供する(画像提供/WALLMATE不動産)
――社員がイキイキと働く組織をつくる秘訣を教えてください。
WALLMATE不動産の強みは、部署の垣根を越えて自然と協力し合える組織文化です。その土台となっているのが、仲介部門と開発部門が利益相反にならない評価制度。部門同士が競い合うのではなく、お客様にとって最適な提案を第一に考え、自然と協力し合える仕組みを整えています。その結果、物件情報やお客様のニーズがスピーディーに共有され、仕入れた物件が翌日に契約へとつながるケースもあるなど、スピード感のある提案を実現しています。
こうした組織を支えているのが、人材育成とモチベーションマネジメントです。「営業は商品で選ばれる仕事ではなく、人で選ばれる仕事」という考えのもと、「できない社員はいない。できるようにしてあげられない上司がいるだけ」を信条に、個人面談では仕事だけでなく人生の目標や価値観まで深く対話し、個々に合わせたモチベーションマネジメントに取り組んでいます。自らゴミ拾いや掃除を率先し、「当たり前を当たり前に行う姿勢」を示しています。社員が誇りを持ち、イキイキと働くことが、お客様への価値を最大化し、選ばれ続ける会社につながると信じています。
――お客様に「任せてよかった」と思っていただくために大切にしていることは何ですか。
私が今の営業スタイルになった原点は、社会人1年目でなかなか結果が出なかった頃の経験です。当時は「売ろう」という気持ちばかりが先に立っていました。でもあるとき、「目の前のお客様を家族や友人だと思って接してみよう」と考え方を変えたんです。すると、不思議なくらい結果が変わりました。お客様にとって本当に必要な提案だけを考えるようになり、自然と信頼をいただけるようになったんです。
だからWALLMATE不動産では、目先の利益よりもお客様との信頼関係を何より大切にしています。お客様から預かった大切な資産を売るための広告費も、人材も、そしてシステムも、お客様の満足度を高めるための投資なら惜しみません。一件でも多く契約することではなく、お客様に「WALLMATE不動産に任せてよかった」と心から感じていただくこと。それこそが、私たちの使命だと考えています。
――不動産業界を変えるために、今後どのような挑戦をしていきたいですか。
私が目指しているのは、WALLMATE不動産を成長させることだけではありません。本当に変えたいのは、不動産業界そのものです。売り手や買い手ではなく、自社の利益を優先してしまう風土や、古い慣習には、以前から疑問を抱いてきました。だからこそ、お客様本位を貫き、社員が自らの仕事に誇りを持って働ける会社であり続けたい。その姿勢を積み重ねることが、業界の常識を少しずつ変え、日本の不動産業界全体の価値向上につながると信じています。
その先に見据えているのは、日本経済への貢献です。今後は国内で店舗数を増やすことだけを目標とするのではなく、日本の不動産会社が海外で外貨を稼ぐ新たなビジネスモデルを築くことこそが、社会に貢献する道だと考えています。海外不動産事業やファンド事業などを通じて新たな価値を生み出し、日本経済に貢献できる存在を目指していきたい。それが、次なる挑戦です。

創業の原点である「WALL街」と、未来へ登っていく姿、まだ見ぬ未来をモチーフにしたアートが本社の壁面に描かれている(画像提供/WALLMATE不動産)
Q:「いい住まい」とはどのような条件を備えた住まいだと思いますか?
A:住まいに求めるのは、心地よさや利便性といった日々の暮らしやすさが80点以上あること。それに加えて、将来ライフスタイルが変わったときにも資産価値や流動性が保たれ、前向きな選択肢を持てる住まいが理想だと考えています。
Q:ご自身が好きなのは、どのようなタイプの住まいですか?
A:陽当たりより広さを重視します。今でも子どもの友人が10人以上集まったり、泊まっていくこともあるので、家族だけでなく友人たちが自然と集まれて、ゆったり過ごせる広いリビングを何より大切にしています。
Q:これまで暮らしてきたなかで印象に残っているのはどのような街ですか?
A:印象深いのは、品川区不動前です。都心でありながら下町の人情が色濃く残る街で、地域のボランティア活動に参加し、住民の皆さんと地域のお祭りを立ち上げました。そのお祭りが今も続いていることは、大きな喜びであり、今でも心に残る思い出です。
株式会社WALLMATEホールディングス
不動産を軸に、「暮らし」「滞在」「資産運用」を支える事業を展開。生活のあらゆる場面を支える取り組みを行い、人々の暮らしや旅を豊かにする多様なサービスを提供する。

(画像提供/WALLMATE不動産)
株式会社UBIQS
都心を中心に全国展開中の無人ホテルを運営。ホテル用地の選定からホテル設計、運営、清掃、マーケティングまで一貫したワンストップサービスを提供。

(画像提供/WALLMATE不動産)
株式会社ワンズレギュラーアーキテクト
建築・設計のプロフェッショナル。人生の節目ごとに気軽に相談できる「かかりつけの建築士」として、数多くの経験を活かし、パーソナルデザイン相談、カスタマイズ可能な間取り、最先端の技術と素材の3つのサービスを提供する。

(画像提供/WALLMATE不動産)
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