住まいの雑学
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2013年9月23日 (月)

『あまちゃん』で注目される海女。実際にはどのように活躍している?

海女さんの漁法は、古くは縄文時代ごろからあったのではないかとされている(写真提供:鳥羽市)
写真提供: 鳥羽市

NHKの連続テレビドラマ『あまちゃん』も、いよいよ今週最終回を迎える。あまちゃんですっかり注目を集めた「海女」という職業。もちろん、舞台である岩手県久慈市だけでなく、日本各地に「海女」の町があるのだ。たとえば三重県鳥羽市には、「ミス伊勢志摩」グランプリをとった美人海女がいたりして、ちょっとした話題になっている。

そこで今回は、日本中の関心を集める海女とはどんな人たちなのか、地域とどのように関わっているのか…、という点について、鳥羽市の担当者にお話を伺った。

「海女とは、ご存じのとおり、素潜りをしてアワビやサザエなどを獲る女性たちのこと。この漁法は、古くは縄文時代ごろからあったのではないかとされています。志摩半島エリアには2010年時点で970人ほどの海女がいます。主に春~9月ごろが漁のシーズンで、この時期は1日に2時間ほど海に潜って漁をします」

アワビは1キロ5,000円ほどの値が付くため、3個獲って1万円程度。一夏で15~16日潜って100万円以上稼ぐ海女もたくさんいるという。ただ、潜水を繰り返すのはとてもハードで、漁期間が終わると10キロも痩せるそうだ。また、海産資源を獲り尽くしてしまわないよう、漁の時期や獲る貝の大きさが決められている。そういった体力面の問題、そして漁のルールをクリアしながら、何千年も海女という文化は続いてきたのだ。

さて、最近の『あまちゃん』人気は、海女への注目度にも影響を与えているのだろうか?

「実は、『あまちゃん』より前から、海女文化を広めるための下地づくりをしてきました。2009年から海女サミットというイベントを開催し、全国の海女同士の交流や、海女文化を観光振興など地域活性化につなげるきっかけづくりにしています。今までは三重県内のみでの開催でしたが、今年は10月に石川県輪島市での開催が決まっています。また、去年からは海女を市のキャンペーンガールに採用し、海女文化を全面に押し出した観光PRを進めています。そこに『あまちゃん』ブームがきて、さらに盛り上がってきたような印象です」

市では、海女と交流できるイベントも企画している。「ぐるとば」では、海女と一緒に料理をつくったり、海女とのおしゃべりを楽しみながら文化・歴史を知る、というプランがあり、海女のことをもっと知りたいという人にはうってつけだ。

一方で、海女はその数が減少傾向にあり、高齢化も問題視されている。しかし、対策は一筋縄ではいかないという。

「海女の漁業権は、各家で受け継いでいくものです。例えば、結婚してその家を出てしまうと、海女になる資格を失ってしまうんです。この決まりは漁業協同組合によるものなので、市では対策をなかなか打てずにいます」

昭和のはじめごろ、海女が観光の目玉として脚光を浴び、多くの絵はがきが出された時期もあったという。今回の海女人気が行きつく先とは一体どこなのか? 海女文化継承のためのよりよい仕組みづくりにもつながっていくのか…。

ちなみに、今後の動きについて「国の文化財指定に向け、準備を進めています」と市の担当者。最終的には世界遺産への登録を目指しているそうで、今後もますます海女から目が離せない。

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