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4月18日、兵庫県幹部と市町長らが意見を交わす県・市町懇話会が行われ、井戸敏三知事は今年も県庁でサマータイムを実施する方針を示した。
現在、世界70カ国で実施され、ここ日本でも一部企業で導入されている“サマータイム”。しかし、大きな話題として扱われることがあまりないように感じる……。では実際のところ、どのような形でサマータイムが導入されているのか、2004年~2006年に“北海道サマータイム実証実験”を実施した、札幌商工会議所の星さんに話を聞いてみた。
「本来のサマータイムとは、夏の間、太陽の出ている時間帯を有効活用するための制度です。現行の時刻に1時間を加えたタイムゾーンを採用します。夏時間開始の際には時計を1時間進め、夏時間終了の際には時計を1時間戻します」
北海道は、夏の昼間の時間が東京や大阪などに比べると約1時間長いため、サマータイムを行いやすいそうだ。実際に取り入れてみた感想は?
「3年間で延べ1,468社・団体が参加した“北海道サマータイム実証実験”は、時計の針を動かさずに1時間早い行動を取るという実施形態を取ったため、本来のサマータイム制度とは本質的に違うものでした。実際に取り入れた企業にアンケートを実施したところ“早い出勤で混雑が回避された”“朝の1時間は電話・来客もほとんどなく事務作業が効率的だった”“夕刻早い時間の来店客が増加した(飲食店など)”など良い点が挙げられました。その一方で、 “勤務時間にシフト制を採用したため、実質的に営業時間の延長となりコストがかさんだ”“家族との時間が合わない”“取引先の対応で労働時間が長くなった”“早朝の公共交通機関が少ない”などの課題が挙げられました」
なるほど賛否両論があったということか。メリット、デメリットについてはどうお考えなんだろう?
「利点は、退社後における余暇の利用拡大とそれに伴う経済活性化、省エネルギー効果やCO2の削減、新たなビジネスチャンスの創出があるということ。欠点は、コンピュータシステム・交通ダイヤの調整等にかかる投資、時間を切り替えた際の体調管理(睡眠不足などの不安)、国内との時差(“北海道のみ”など特定の地域で実施した場合)があるということ。今年も懸念される電力不足問題によりサマータイムを取り入れる企業があると思いますが、一時的なものに過ぎず、今後、日本全域、あるいは特定の地域で全面的に実施されることは考えにくいでしょう」
まだまだ課題が多いサマータイム。日本で定着させるにはもう少し時間がかかりそうだ。