【連載】スイーツ番長presents:パティシエのいる街には幸せが住む Vol.55
90年代後半から、カフェやセレクトショップが集まるようになった大阪市西区堀江エリア。高層マンションも立ち並ぶようになり、新旧が混在する理想的な地区となり、今も活気をみせ各方面から注目されている。そんな堀江地区でも一層住居が多いエリア西長堀駅周辺に昨年1月、開業したのがルシェルシェだ。
スイーツ番長(以下、番長)「開業されて2年目ながら、口コミサイトでの評価が高く、あっという間に大阪の人気店となりましたね。」
村田義武シェフ(以下、遠藤)「大阪の製菓学校からはじまり、地元の実力派有名店で長い間仕事をさせていただきました。これまでの間に、この地で沢山の出会いがあり、本当に多くの皆さんに支えられてここまで来ました。フランス菓子を通したコミュニケーションが広がった結果が、今につながっていると思います。単なる甘いモノというだけでは収まらない、そんな魅力がフランス菓子にはありますね。」
番長「シェフにとってフランス菓子の魅力とは、いったいなんですか?」
村田「フランス校で学んだフランス菓子は、フランス人にとっては当たり前のことで、でもそれは異国の僕らからしたら、異文化に触れることなのです。そしてパティシエとはその異文化の伝承者。それを知ってから出逢うフランス菓子はとても重みがあって、深いものでした。」
番長「でも、それだけでは村田シェフという個性が活かされませんよね。」
村田「そうですね。古典菓子といえども、昔とは材料や道具などつくる環境も違うわけで、食べる側の味覚や感覚、食べる環境も違うはずです。そんな古典菓子を現代人に近づけるのが僕の仕事であり、自分らしさと思っています。」
番長「大阪の地に店を持たれたのには、わけはありますか?」
村田「パティシエを目指したときから、今まで多くの時間を大阪で過ごしてきました。販売スタッフを務めている妻との出会いも大阪の製菓学校時代です。僕にとって大阪は故郷のようなものです。だから大阪の子どもたちにもフランス菓子は特別なものではなく、日常にあるオヤツとして楽しんでほしい…そういう想いで物件を探してたどり着いたのがここなのです。」
番長「町人文化の街大阪にフランス文化のフランス菓子店が現れて、みなさんの反応はいかがでしたか?」
村田「このあたりはニューファミリーも多く、当初は町のケーキ屋さんという意味を込めて、ショートケーキ類もつくり並べましたが、今ではフランス菓子という伝統的部分をお客さんも強く意識してくださるようになり、ショートケーキがほとんど出なくなったのでショーケースには並んでいません。もちろん、ご注文があればバースデーケーキなどでおつくりはしていますが。」
ルシェルシェ(Rechercher)とはフランス語で探求という意味。パティシエの出発点となり、オーナーシェフとしてのスタートの地となった大阪・南堀江で、村田シェフとその地の人々のフランス菓子への探求はまだまだ続く。
●ピエス(483円)

バニラビーンズがたっぷりのカスタードクリームとバナナ(季節のフルーツ)がつまったパイ生地に、バーナーで炙りトップはキャラメリゼしたメレンゲを重ねたお菓子。力強さとしなやかな甘さをもった絶妙な美味しさ。ランゴー(金塊)というベルギー伝統菓子をアレンジ。
●カジノ51(525円)

ルーレットをモチーフにしたカジノというフランス古典菓子に、パスティス51というアニスリキュールを用いたオリジナルなケーキ。白ワインのムースに木苺や赤スグリなどの酸味とアニスリキュールの甘さと爽やかさ、ぱっと開いて、ハマれば癖になる美味しさ。
●ルリジューズ(378円)

シュー菓子を2段重ねしたフランス伝統菓子を、上はキャラメルのクリーム、下はチョコレートのクリームとより濃密に組み上げた。周りは塩キャラメルのクリームで飾り、表面にゲランド塩をふって、より味わいに深みを与えている。シェフのフランス時代の思い出の品だ。
1977年愛知県豊田市生まれ。辻製菓専門学校を卒業後、辻調グループフランス校に進学。ロアンヌの「プラリュ」にて研修。東京、横浜のパテスリー、大阪の名店「なかたに亭」に勤務。「なかたに亭 NEWS店」ではシェフを務める。2011年1月に自店ルシェルシェをオープン。
パティスリー ルシェルシェ
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