2011年も残りわずか。来年こそ家を買おうと考えている人のなかには、年末年始に帰省したときに、親に住宅資金の援助を頼もうかなぁ…なんてこっそり計画している人もいるのでは? そんな人にも、そんなこと考えてもいなかったという人にも、ぜひ知っておいてほしいのが、先日まとまった2012年度の税制改正大綱だ。
住宅関連で注目なのが「相続時精算課税制度」と「贈与税の非課税措置」の2つの制度。住宅購入のための資金を親から援助してもらった場合に、税制優遇を受けられるという内容なのである。帰省前に要点だけを押さえておこう。
「相続時精算課税制度」は、65歳以上の親から20歳以上の子への生前贈与に対する贈与税が2500万円まで非課税になるもので、適用期間が2011年末までだったものが、今回の税制改正大綱では、3年間延長される見込みとなった。
「贈与税の非課税措置」は、親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受ける場合の非課税枠のこと。現行制度では2011年末で期限切れになる予定だったが、こちらも今回の税制改正大綱では、2014年3月末まで延長・拡充される見込みとなった。非課税枠は2012年は2011年と同額の1000万円だが、2013年、2014年と年を追うごとに非課税枠が縮小される予定なので(東日本大震災の被災者(※)は2013年以降も1000万円となる見込み)、この制度はできれば早めに利用したいところ。
さらに、2012年度の税制改正大綱では、新たに取得する住宅が省エネルギー性または耐震性の基準を満たす場合、非課税枠が500万円上乗せになるという拡充も盛り込まれている。この基準は現行の省エネ基準(1999年基準)または耐震等級2以上となる見込み。東日本大震災の被災者(※)は3年間1500万円の非課税枠が適用される予定となっている。
※ここでいう東日本大震災の被災者は取得した住宅の所在地ではなく実際に被災した人を指す。住宅エコポイントなどで優遇制度が受けられる「特定被災区域」の住宅とは意味合いが異なるので注意。
「相続時精算課税制度」と「贈与税の非課税措置」は併用することが可能。基礎控除分の110万円を合わせれば最大で4110万円まで贈与税がかからないことになる。ただし、「相続時精算課税制度」は相続の際に生前贈与分を相続財産として精算する必要があるので、「贈与税の非課税措置」を優先して適用するのがいいだろう。
親から住宅資金を援助してもらうと、税制のメリット以外にローンの返済額を減らすこともできる。たとえば、援助してもらった1000万円を頭金に充当して3500万円の住宅を購入する場合と、同じ住宅を頭金なしで購入する場合を比較すると、約500万円も利息を減らすことができる。
ほかにも頭金を増やすことで、借入先の銀行を選びやすくなったり、金利の低いローン商品を選べるようになるケースもある。金利の低ければ毎月の返済額や総返済額も減らすことができておトクだ。
「お得なのは分かったけれど、親にお金をねだるのはちょっと抵抗があるなぁ」
そんなふうに考えるあなたは、きっととっても親孝行な息子・娘なのだろう。しかし、親世代の実に58.6%が「子どもが住宅を購入する際、資金援助をしたい/してもいい」と答えている(リクルート住宅総研「家族観、住まい観に関する世代別価値観調査」2006年より)。
親世代の中には、自分が持っている資産を生きた形で子どもや孫に残したいと考えている人も多いようで、ここは素直に切り出してみるのもいいかもしれない。
なお、税制改正の内容は今後の国会審議を経て、2012年3月末までに決定される。今回の大綱がこのまま通るとは限らないが、住宅税制では増税項目がほとんどないため、変更なく決まることを期待したい。
■こちらの記事もチェック
「贈与税の非課税枠を延長・拡充など、2012年度税制改正大綱まとまる」
「親からの1000万円の贈与。マイホーム資金にしたらメリットいろいろ」
SUUMO住まいのお役立ち記事