住まいの雑学
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谷口 勇人
2011年6月19日 (日)

マンションでピアノって弾いても大丈夫?

習い事と言えば・・・・・・の質問に真っ先に出てくる回答のひとつは「ピアノ」ではないだろうか。音楽の時間にピアノを弾ける子がスラスラと「エリーゼのために」を弾いているのを見て、「ああ、なんて素敵な子だろう」と胸をときめかせた経験は、男子なら誰しもがあるはず。普段気にもとめない男子が、何かの機会にピアノを弾く姿を見て以来、魅力的に思えるようになったという経験は、女子にもあるはずだ。

昔は夕方の街を歩くと、あちらこちらでピアノの音が聞こえたものだが、最近はあまり耳にしない気がする。そもそも、普通のマンションでのピアノ演奏って大丈夫なのだろうか?

まずは管理規約で確認を
「楽器の演奏についてのルールは、管理規約に書いてあることがほとんど。まずはご自分の住むマンションやアパートの管理規約をチェックしましょう」。
楽器可となっている場合でも、演奏可能な楽器が決まっている場合や、演奏可能な時間帯など、条件がある場合があります。また、たとえ楽器可だとしても、近隣の住戸と騒音のトラブルになった場合は、双方で話しあってルールを決めていただくなどの対応が必要。つまり“楽器可だから24時間大音量で演奏してもOK”というわけではないことには注意が必要。

つまり、24時間演奏可能、などと明記されていない以上は、音に対する配慮は必要だ。

思い切り演奏したいという方は
管理規約ではピアノはOK。でも近隣の方に気にせず思い切り遠慮せずに弾きたい・・という方は対策をとろう。

一番簡単な方法としては、電子ピアノにすること。電子ピアノならば、音量調節が可能だし、ヘッドフォンをしながら演奏も可能なので近隣とトラブルになることを気にする必要はなくなる。アコースティックピアノ(いわゆる生音のアップライトピアノ、グランドピアノ)も、最近では、消音装置を取り付けて生音と電子音の切り替えをすることも可能だ。これによって、昼間気にしなくてもいい時間ならば「生音」で、少し日が暮れてきた時や夜などは「電子音」でと時間帯やその状況に応じて切り替えることができるのでとても便利だ。ただし、この場合は鍵盤を叩いたときや、ペダルを踏んだりしたときに発生する振動音は床に響きやすいため、ピアノの下には防振マットなどを敷いたほうが安心だ。

電子音はいやだ、どうしても生音で弾きたいというならば、防音室をつくることになるが、部屋自体を工事しなくても大丈夫。ユニットタイプの簡易防音室を部屋に置くことで、思い切り演奏する環境は実現できる。この簡易防音室、部屋や楽器の大きさに合わせてさまざまなサイズがあるが、約50万円~200万円と高額である。また、部屋の中に部屋をつくるため、窮屈になってしまうのもデメリットだ。

“なるべく苦情のこない”対策をするなら
そこまでしなくても、ピアノ可であるマンションであれば防音性はかなり高いことがほとんどなので、少し工夫をするだけで外部への音漏れを低減することができる場合もある。ただし、上記のような完璧な対策ではないので、ケースバイケースになるが、音の伝わり方に合わせた対策方法を紹介しよう。

対策方法を考えるには、音の伝わり方の特性を知ることが大切!
音は通常「空気振動音」と、「固体振動音」がある。「空気振動音」とは、音が空気の振動(音波)として伝わる音のことであり、人の話し声や、車のクラクションなどがこれにあたる。これは隙間を密閉し、重たい材料で仕切ること、また、窓や仕切りを二重にするなどの対策が必要だ。
一方、「固体振動音」は、音が床や壁などの個体を伝わってくる音であり、階上の足音やスプーンを落とした音などがこれにあたる。これはクッション性のある材料で固体の振動を抑えたり、堅い遮音材による遮音により、床や壁などに音を伝わりにくくする対策が必要だ。

音が伝わりやすい階下の対策には

ピアノの騒音トラブルが最も多いのは、階下からのクレームだ。階下へは床の伝う固体振動音への対策が最も必要となる。ピアノの音は遮音と吸音、両方により初めて防音対策になる。遮音効果のあるものーー安いものではホームセンターなどで売られているゴム製のシート、または防振シートや防振材、合わせて、吸音効果のあるものーーウレタンシートや吸音カーペットなどを重ねて敷くことで、階下への固体振動音は緩和できる。

隣家や階上の対策には

ピアノ可マンションはほとんどが鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションである。コンクリート壁は厚さにもよるが遮音効果はかなり高い材料なので、直接ピアノが接していない隣家や階上への音漏れは、一般的には階下よりも小さいと言われる。
対策としては空気振動音を防ぐこと。簡単にできる方法として、吸音効果のある材料を壁に貼り付けるだけでもかなり有効だ。更に遮音シートを重ねて貼り付けてもなお良し。
手っとり早いのは、楽器店や防音対策グッズをメインとして販売しているお店などで簡易防音壁を取り付けること。これはワンタッチで簡単に取り付けられるし、吸音、遮音、両方の効果を持つ材料でつくられている。

窓からの音漏れ対策も肝心!
意外と忘れがちなところが「窓」。壁や床以外に、窓から漏れた音が、他の家の窓から入り、それが騒音問題になることもある。窓の遮音力は、コンクリート壁の約半分程度と言われている。そのため意外に広範囲まで音が漏れている場合がある。
一番簡単な方法は、ホームセンターやインテリアショップで売られている防音カーテンを取り付けること。防音カーテンは簡単に取り付けられるし安く手に入る、しかしカーテンの隙間から音が漏れてしまう場合もあるため完全に隙間をなくすように取り付ける工夫が必要だ。また、防音カーテンは漏れる音を防ぐよりも、入ってくる音をシャットアウトする効果のほうが高いため、騒音問題を訴えてくるお宅に取り付けてもらえると、より効果が期待できる。
窓からの音をより防ぐものとして、二重窓や複層ガラスにする方法もある。これは工事が必要なため、コストはかかるが、音漏れはかなり防ぐし、日中に光を遮ってしまう遮音カーテンを閉めなくてもよいというメリットがある。

音楽がある生活ってちょっぴり贅沢で素敵♪せっかくピアノをやるなら、周りの人とトラブルにならないように対策をとって、楽しくおもいっきり弾きたいですね!

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