価格が高騰する住宅をペアローンで購入するには?7つのケーススタディでアドバイス

公開日 2026年01月16日
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ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
価格が高騰する住宅をペアローンで購入するには?7つのケーススタディでアドバイス

住宅の価格が高騰している今、ペアローンを利用して高額の資金を借り、超長期の返済期間を設定するカップルも見られます。この場合、どのようなことに注意をすればいいのでしょうか。この記事では、年代や働き方、将来のライフスタイル別に7つのケースを紹介。資金計画へのアドバイスを参考にしてください。

なぜ今「ペアローン+超長期返済」が増えているのか

背景にあるのは新築マンションの価格高騰

2026年がスタートしましたが、どうやら3年連続で東京23区の新築マンションの平均価格は1億円を超えそうです。物件価格の高騰は全国にも波及していて、不動産調査会社の東京カンテイの調べによると、2024年の新築マンションの全国平均価格は平均年収の10倍を上回る状態(東京都はなんと17倍!)です。

そんな状況下で一般の会社員がマイホームを手に入れようと考えると、ペアローンや超長期の返済期間の利用者が増えていくのも当然かもしれません。しかし、安易にペアローンを利用したり、40年や50年といった超長期の返済期間を利用したりするのは、とてもリスキーな行動だと言わざるを得ません。

今回は、あらためてペアローンと超長期返済のメリット・デメリットを整理して、ケース別に考えておくべきポイントをまとめます。少しでも参考にしていただけたら幸いです。

ペアローンとは?

ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦それぞれが別々にローンを契約し、お互いに連帯保証人になる仕組みです。例えば、7000万円の物件を買う際に、夫が4000万円のローン、妻が3000万円のローンを組んで、夫は妻の連帯保証人になり、妻は夫の連帯保証人になるようなイメージです。

ペアローンのメリット

2人がローンを組むことで合計の借入額を増やせます。住宅ローン控除もそれぞれが受けられます。

ペアローンのデメリット

事務手数料などの諸費用が2件分かかります。また、一方が仕事をやめても2人分のローンの支払い義務は残ります。万一離婚をした場合には、もめる原因になる可能性が高いといえます。

「ペアローン+超長期返済」のメリット・デメリット

「ペアローン+超長期返済」のメリット

月々の返済額を抑えられるため、購入できる物件の選択肢が広がります。それぞれの住宅ローン控除も長期で多めに受けられる可能性が高まります。

「ペアローン+超長期返済」のデメリット

返済期間が長いほど利息の負担が重くなり、総返済額が増えます。また、収入減に対応しにくかったり、70代になっても返済が続いたり、老後に不安を残す可能性が高まります。

長期返済の住宅ローンのイメージ
(画像/PIXTA)

ケース別「ペアローン+超長期返済」利用の注意点は?

ケース1 30歳手前。子どもの誕生で共働きをやめるリスクもある夫婦

30歳手前の共働き。ペアローンを利用しても経済的に余裕がある。今は子どもはいないが、子どもが生まれたら妻は仕事をやめる可能性もある夫婦の場合(妻は育休後も仕事は続ける前提だが将来的なリスクは考えていない。一時的に仕事をやめても、希望すれば共働きできると思っている)。

30歳手前ということは、40年返済を利用しても60代のうちに返済が終わる計算です。ペアローン+超長期返済のメリットを十分に活かせる可能性があります。しかし、子どもの誕生で妻が仕事をやめる可能性があるなら、安全策を採るべきでしょう。当初は仕事を続けるつもりでも、やはり育児に専念したいと思ったり、産後の体調面で難しくなったりする可能性もあるからです。

最も安全な策としては、ペアローンは利用せず、夫が1人でローンを組み、子どもが生まれるまでの妻の収入は、貯蓄や積立投資に回していく。教育資金や老後資金を早くから貯めていき、将来に備えていくスタンスがよいでしょう。そのためには希望する物件価格を下げる必要があるかもしれません。

それでも、あまり物件価格は下げたくないと思う場合は、よほどのことがない限り共働きを続けることを大前提にするならペアローンを利用するのもよいでしょう。ただし、片方が働けなくなったらどうするのか、離婚した場合はどうするのか。売却や賃貸に出すなど、事前にきちんと話し合っておくべきでしょう。

ケース2 30代で40年返済を選択。繰り上げ返済をすれば大丈夫と考える夫婦

30代ペアローンで40年返済利用を検討中。途中で繰り上げ返済(期間短縮)をすればなんとかなると思っている夫婦の場合。

「途中で繰り上げ返済をすればなんとかなる」というのを安易に考えていませんか?
繰り上げ返済用の資金を貯める計画はきちんと立てているのでしょうか。教育資金や老後資金の準備とは別に、繰り上げ返済用の資金を貯めていく計画です。

その計画がしっかりと立てられているなら問題ありません。年3%前後の物価上昇が続いている現在、住宅ローン金利のほうが物価上昇率よりも低いということは、実質金利がマイナスの住宅ローンを組めるということです。理屈の上ではなるべく返済期間は長くした方がトクになります。

貪欲に金銭面での有利さを追求するなら、いつでも繰り上げ返済できる資金を準備しながら、そのお金は住宅ローン金利以上の利回りで運用し、実際には繰り上げ返済はしないというのが計算上は最も有利になるでしょう。ただし、運用のリスクを取ることになるので、ハイリスク・ハイリターンにご注意ください。

ちなみに、最も安全な策は、繰り上げ返済は「できたらラッキー」くらいに考えておき、繰り上げ返済を考慮に入れない返済計画を立てることです。

ケース3 ペアローンを利用。将来、転職や起業を考えている夫婦

ペアローンを利用する夫婦。妻、または夫が将来は転職や起業を考えている場合。

「転職」や「起業」は、うまくいけば収入を大幅に増やせる可能性があります。生活水準もレベルアップできる夢のある行動とも言えます。しかし、残念ながら期待とは裏腹に収入が減ってしまう可能性もあります。そのリスクを念頭に置いておくべきでしょう。

また、どちらかが転職や起業をする場合、片方の収入が一時的に途絶える可能性もあります。なので、それに備えるためにも少なくとも半年から1年分の手取り収入に相当する貯蓄を確保してから転職や起業の活動を始めることをオススメします。

最も安全な策としては、片方の収入が半分以上減ったとしても安定的に返済していける計画を立てる必要があるでしょう。

ケース4 高額な借り入れのためのペアローン。共働きを続けるつもりはない夫婦

高額なローンを借りたいので、ペアローンにするけれど、ずっと共働きをするつもりではない夫婦の場合(どちらかが仕事をやめても、一人の収入で返せそうではある)。

片方の収入だけでも返済していけそうなのであれば、高額なローンをペアローンで借りても問題ないでしょう。ただし、あえて注意点を言うなら、登記の際の持分割合の設定やその後の修正の必要性が出てくる可能性があります。

例えば、当初は共働きで物件価格のちょうど半分ずつのローンを組んで返済していくなら、持分割合は2分の1ずつで問題ありませんが、その後、片方が退職して1人だけで返済していくようになったとき、持分割合をそのままにしておくと、資金を負担している人から負担していない人への贈与になってしまうのです。

年間110万円までなら贈与税の基礎控除がありますので贈与税はかかりませんが、それを超えると贈与税がかかります。また、万一離婚した際には、実際の資金の負担割合と持分割合が異なることで、もめてしまうケースもよくあります。持分割合の設定や修正は、きちんと行うのが無難です。詳しくは、税務署や法務局(登記所)に相談しながら決めるようにしましょう。

ケース5 頭金がないからペアローンを利用する夫婦

貯金のない夫婦が、頭金を用意できないためペアローンを利用する場合。

貯金がない、その理由はわかっていますか?
どうして貯金ができないのでしょうか。
家賃が高すぎる?外食が多い?趣味やレジャー費が多い?
まずは、夫婦のそれぞれの収入と支出をすべて明らかにするところから始めましょう。

現在は、頭金がなくても住宅ローンを組める時代になりましたので、それほど多くの貯金は必要ないですが、「貯蓄グセ」のない家計で住宅ローンを組むのは絶対にやめたほうがいいです。収入が着実に増えていかない限り、家計は破綻まっしぐらになってしまうかもしれないからです。

まずは1年間でもいいので、貯蓄の計画を立て、計画どおりできたかどうか、検証してみてください。そのうえで、いくらなら返済していけそうなのか、教育資金や老後資金を貯めながら、安心して返済できる金額で買える物件はどの程度なのか、冷静に見積もるようにしましょう。モデルルームやモデルハウスの訪問はその見積もりができてからがよいかもしれません。見てしまうと欲しくなってしまうので。

ケース6 住宅はペアローンで購入し、夫は将来、単身赴任の予定

ペアローンを利用する夫婦。夫は転勤がある仕事。子どもを転校させたくないので単身赴任してもらう予定の場合。

夫が単身赴任をする場合、帰省費や生活費などによって出費が増加する可能性があります。まずは、夫の会社の制度を確認しましょう。単身赴任の場合に出る手当がどの程度なのか、帰省費用はどの程度支給されるのか、単身赴任先の住居費や生活費はどの程度カバーされるのか。これらは会社によってかなり違います。

調べたうえで、出費がどの程度増えそうなのか、それも考慮に入れて返済計画を立てるべきでしょう。

ケース7 将来、離婚の可能性もあると考えている夫婦

将来は何があるかわからない、離婚の可能性だってある…と考え、準備しておきたい夫婦の場合。

毎年の婚姻件数と離婚件数を単純に比較すると、3組に1組は離婚する計算になります。誰も離婚するために結婚するわけではないですし、最初から離婚したいと思っている夫婦は皆無でしょう。しかし、何らかの理由で離婚に至ってしまう夫婦は非常に多いのです。

私たちは大丈夫、と思っていても、いつ何があるかわかりません。ペアローンを組むのであれば、最悪の場合も想定しておくべきです。きちんと夫婦で話し合い、もしもの場合の決め事をしておくとよいでしょう。

離婚したら、どちらが住み続けるのか。住まない方のローンはどうするのか。売却するのか。賃貸に出すのか。いろいろと方法はありますが、もめないためにも当初から方針を決めておくのが無難です。

考えられる方法としては以下のようなものが挙げられます。

住み続ける方がローンを引き継ぎ、持分を買い取る。

ローンを一本化できるかどうか。返済を続けられるかどうかがカギ。金融機関に相談を。

離婚を機に売却し、売却代金を持分割合に応じて分ける。

最もスッキリする方法。ただ、ローン残高の方が多いと売れない。金融機関に相談を。

賃貸に出して、家賃収入を持分割合に応じて分ける。

安定的に高い家賃収入が期待できるならアリだが、将来的に処分などでもめる可能性も。

ペアローンにとって離婚は大きなリスクです。可能性はゼロではありません。冷静に話し合えるうちに、きちんと話し合っておくのがよいでしょう。

夫婦で資金計画を検討するイメージ
(画像/PIXTA)
まとめ

住宅価格の高騰を背景にペアローンや超長期返済を検討するケースも

ペアローンは物件の選択肢が増える、住宅ローン控除の効果が上がるなどメリットがある

ペアローン+超長期返済には離婚のときにもめごとの原因になる、利息負担が大きいなどのデメリットがある

ペアローンを利用する理由や、将来のライフスタイルの変化によって、借り方・返し方の注意点は異なる

イラスト/杉崎アチャ

SUUMOコンテンツスタッフ

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